医療法人 峰和会 鈴鹿回生病院

治験実施に関する標準業務手順書
(SOP)

2017年10月19日
第8版

院長   加藤 公   印

 

第1版:

1998年 4月1日作成

第2版:
第3版:
第4版:
第5版:
第6版:
第7版:
第8版:

2000年12月1日作成
2006年 6月1日作成
2006年 8月1日作成
2008年 7月1日作成
2010年10月1日作成
2012年 5月1日作成
2017年10月19日作成

 

 

住所:三重県鈴鹿市国府町112-1

 

本手順書の構成

第1章 目的と適用範囲

 第1条  (目的と適用範囲)

 

第2章 医療機関の長の業務

 第2条 (医療機関の長の責務)
 第3条 (治験の実施体制)
 第4条 (治験依頼の申請等)
 第5条 (治験実施の了承等)
 第6条 (治験実施の契約等)
 第7条 (治験の継続)
 第8条 (治験実施計画書等の変更)
 第9条  (治験実施計画書からの逸脱)
 第10条 (重篤な有害事象の発生)
 第11条 (重大な安全性に関する情報の入手)
 第12条 (治験の中止、中断及び終了)
 第13条 (異議申し立て)
 第14条 (直接閲覧)

 

第3章 治験審査委員会

 第15条 (治験審査委員会及び治験審査委員会事務局の設置)
 第16条 (他の医療機関の長等が設置した治験審査委員会への調査審議の委託)

 

第4章 治験責任医師の業務

 第17条 (治験責任医師の要件)
 第18条 (治験責任医師の責務)
 第19条 (被験者からの同意の取得)
 第20条 (被験者に対する医療)
 第21条 (治験実施計画書からの逸脱等)

 

第5章 治験薬の管理

 第22条 (治験薬の管理)

 

第6章 治験事務局

 第23条 (治験事務局の設置及び業務)

 


第7章 業務の委託

 第24条 (業務委託の契約)

 

第8章 記録の保存

 第25条 (記録の保存責任者)
 第26条 (記録の保存期間)

 

書式
「治験の依頼等に係る統一書式について」医政研発0701第1号(平成26年7月1日)の統一書式を用いる。
「参考書式」 については、 適宜協議し変更及び修正を行うことができる。 また、 別書式にて作成することも可とする。


 

第1章 目的と適用範囲

(目的と適用範囲)

第1条

本手順書は、 厚生省令第28号(GCP省令:平成9年3月27日)及びそれに関連する省令並びに通知等に基づいて、治験の実施に必要な手続きと運営に関する手順及び記録の保存方法を定めるものである。

2

本手順書は、 医薬品の製造販売承認申請又は承認事項一部変更承認申請(以下 「承認申請」という)の際に提出すべき資料の収集のために行う治験に対して適用する。

3

製造販売後臨床試験に対しては、GCP省令第56条に準じ、「治験」 等とあるのを「製造販売後臨床試験」等と読み替えることにより、本手順書を適用する。

 

第2章 医療機関の長の業務

(医療機関の長の責務)

第2条

医療機関の長は、治験に係る業務に関する手順書を作成しなければならない。

2

医療機関の長は、当該医療機関における治験がこの省令、治験実施計画書、治験の契約書に従って適正かつ円滑に行われるよう必要な措置を講じなければならない。

医療機関の長は、被験者の秘密の保全が担保されるよう必要な措置を講じなければならない。

 

(治験の実施体制)

第3条

実施医療機関の長は、治験に係る事務を行わせるため、治験事務局を設置し、事務を行う者を指名する。

(2)

治験業務の一部を治験施設支援機関(SMO)に委託することができる。その場合、GCP省令39条の2に則り契約を締結しなければならない。

2 

実施医療機関の長は、緊急時に被験者に対して必要な措置を講ずるための手続きを行う。

3 

実施医療機関の長は、治験薬管理者を指名し、院内で実施する全ての治験薬を管理させる。

4 

実施医療機関の長は、記録保存責任者を指名し、院内で保存すべき記録(文書を含む)の保存を管理させる。

5 

実施医療機関の長は、院内において実施される治験がGCP省令、治験実施計画書等に従い、適正かつ円滑に行われるよう「治験の実施に係る業務手順書」を定め、関係者に周知させる。

6 

実施医療機関の長は、治験責任医師が作成したリストに基づき、治験分担医師及び治験協力者を指名する。

7 

実施医療機関の長は、治験依頼者によるモニタリング及び監査並びに治験の実施の適否について国内外の規制当局による調査を受け入れるものとする。なお、これらの場合には、モニター、監査担当者、規制当局の求めに応じて、原資料等の治験関連記録を直接閲覧に供するものとする。

 

 

(治験依頼の申請等)

第4条

医療機関の長は、事前に治験責任医師より提出された治験分担医師・治験協力者リスト(書式2)
に基づき、治験関連の重要な業務の一部を分担させる者の指名を行う。医療機関の長が指名した治験分担医師・治験協力者リスト(書式2)を、治験責任医師及び治験依頼者に通知する。

2

医療機関の長は、 治験責任医師と治験依頼者との間で治験に関する文書による合意が成立した後、 治験責任医師及び治験依頼者に治験依頼書(書式3)、 治験責任医師・治験分担医師の履歴書(書式1)、 治験実施計画書等の審査に必要な資料を提出させるものとする。

※審査に必要な資料

1)

治験実施計画書(治験責任医師と治験依頼者が合意したもの)

2)

治験薬又は治験機器(治験薬等)概要書(製造販売後臨床試験の場合は添付文書)

3)

症例報告書の見本(治験責任医師と治験依頼者が合意したもの)

4)

説明文書及び同意文書

5)

治験責任医師の履歴書及び治験責任医師がGCP省令第42条に規定する要件を満たすことを証明したその他の資料並びに治験分担医師の履歴書

6)

被験者の安全等に係る報告

7)

被験者の健康被害に対する補償に関する資料

8)

被験者への支払いに関する資料(支払いがある場合)

9)

予定される治験費用に関する資料

10)

被験者の募集手順(広告等)に関する資料(募集する場合)

11)

  1. その他治験審査委員会が必要と認める資料

 

 

(治験実施の了承等)

第5条

医療機関の長は、治験責任医師及び治験依頼者に対して治験の実施を了承する前に、治験審査依頼書(書式4)及び本手順書第4条第2項に規定する治験実施計画書等の審査の対象となる文書を治験審査委員会に提出し、治験の実施の適否について治験審査委員会の意見を求めるものとする。

2

医療機関の長は、治験審査委員会が治験の実施を承認する決定を下し、その旨を通知してきた場合は、これに基づく医療機関の長の指示が治験審査委員会の決定と同じときには、治験審査結果通知書(書式5)により、医療機関の長の指示が治験審査委員会の決定と異なるときには、治験審査結果通知書(書式5)の写しとともに治験に関する指示・決定通知書(参考書式1)により、治験責任医師及び治験依頼者に通知するものとする。

3

医療機関の長は、治験審査委員会が治験実施計画書、症例報告書の見本、説明文書及び同意文書並びにその他の手順について何らかの修正を条件に治験の実施を承認する決定を下し、その旨を通知してきた場合は、治験審査結果通知書(書式5)により治験責任医師及び治験依頼者に通知するものとする。

4

医療機関の長は、前項の指示により治験責任医師及び治験依頼者が治験実施計画書等を修正した場合には、治験実施計画書等修正報告書(書式6)及び該当する資料を提出させ、医療機関の長の指示どおり修正したことを確認するものとする。

5 医療機関の長は、治験審査委員会が治験の実施を却下する決定を下し、その旨を通知してきた場合は、治験の実施を了承することはできない。医療機関の長は、治験の実施を了承できない旨を、治験審査結果通知書(書式5)により、治験責任医師及び治験依頼者に通知するものとする。
6 医療機関の長は、治験審査委員会が治験の実施を保留する決定を下し、その旨を通知してきた場合は、治験責任医師及び治験依頼者に当該関連資料を提出させ、治験審査委員会の意見を求めるものとする。
7 医療機関の長は、治験依頼者から治験審査委員会の審査結果を確認するために審査に用いられた治験実施計画書、 症例報告書等の文書の入手を求める旨の申し出があった場合には、これに応じなければならない。

 

(治験実施の契約等)

第6条

医療機関の長は、治験審査委員会の意見に基づいて治験の実施を了承した後、治験依頼者と治験の受託に関する契約を文書により締結し、双方が記名又は署名し、捺印と日付を付すものとする。

2 

治験責任医師は、契約内容の確認のため治験の受託に関する契約の文書に記名・捺印又は署名し、日付を付すものとする。

3 

医療機関の長は、治験審査委員会が修正を条件に治験の実施を承認した場合には、本手順書        第5条第4項の治験実施計画書等修正報告書(書式6)により修正したことを確認した後に、治験の受託に関する契約の文書により契約を締結するとともに、治験責任医師は本条前項に従うものとする。

4 

治験の受託に関する契約の文書の内容を変更する際は、本条第1項に準じて覚書等の文書を   締結するとともに、治験責任医師は本条第2項に従うものとする。

 

(治験の継続)

第7条

医療機関の長は、実施中の治験において少なくとも年1回、治験責任医師に治験実施状況報告書(書式11)を提出させ、治験審査依頼書(書式4)及び治験実施状況報告書(書式11)の写しを治験審査委員会に提出し、治験の継続の適否について治験審査委員会の意見を求め本手順書第5条に準じて治験責任医師及び治験依頼者に通知するものとする。

2 

医療機関の長は、治験審査委員会が実施中の、治験審査委員会が既に承認した事項の取消し (治験の中止又は中断を含む)の決定を下し、その旨を通知してきた場合は、治験審査結果通知書(書式5)により、治験責任医師及び治験依頼者に通知するものとする。

3 

医療機関の長は、治験依頼者から治験審査委員会の継続審査等の結果を確認するために審査に用いられた治験実施計画書、症例報告書等の文書の入手を求める旨の申し出があった場合には、これに応じなければならない。

 

 

(治験実施計画書等の変更)

第8条

医療機関の長は、治験期間中、治験審査委員会の審査対象となる文書が追加、更新又は改訂された場合は、治験責任医師及び治験依頼者から治験に関する変更申請書(書式10)とそれらの当該文書のすべてを速やかに提出させるものとする。

2 

医療機関の長は、治験責任医師又は治験依頼者より、治験に関する変更申請書(書式10)を入手した場合には、治験審査依頼書(書式4)及び治験に関する変更申請書(書式10)の写しを治験審査委員会に提出し、治験の継続の適否についての治験審査委員会の意見を求め本手順書第5条に準じて治験責任医師及び治験依頼者に通知するものとする。

 

  (治験実施計画書からの逸脱)

第9条

医療機関の長は、治験責任医師より被験者の緊急の危険を回避するため、その他医療上やむを得ない理由により緊急の危険を回避するための治験実施計画書からの逸脱に関する報告書(書式8)を入手した場合は、治験審査依頼書(書式4)及び緊急の危険を回避するための治験実施計画書からの逸脱に関する報告書(書式8)の写しを治験審査委員会に提出し治験の継続の適否についての治験審査委員会の意見を求め本手順書第5条に準じて治験責任医師及び治験依頼者に通知するものとする。

 

 (重篤な有害事象の発生)

第10条

医療機関の長は、治験責任医師より重篤な有害事象に関する報告書(書式12-1・2)を入手した場合は、治験審査依頼書(書式4)及び重篤な有害事象に関する報告書(書式12-1・2)の写しを治験審査委員会に提出し、治験の継続の適否について治験審査委員会の意見を求め本手順書第5条に準じて治験責任医師及び治験依頼者に通知するものとする。

 

  (重大な安全性に関する情報の入手)

第11条

医療機関の長は、治験依頼者より安全性情報等に関する報告書(書式16)を入手した場合は,治験審査依頼書(書式4)及び安全性情報等に関する報告書(書式16)の写しを治験審査委員に提出し、治験の継続の適否についての意見を求め本手順書第5条に準じて治験責任医師及び治験依頼者に通知するものとする。
なお、被験者の安全又は当該治験の実施に影響を及ぼす可能性のある重大な情報には、以下のものが含まれる。

1)

 他の医療機関で発生した重篤で予測できない副作用

2)

重篤な副作用又は当該治験薬等の使用による感染症の発生数、発生頻度、発生条件等の発生傾向が治験薬等概要書から予測できないもの

3)

死亡又は死亡につながるおそれのある症例のうち、副作用によるもの又は当該治験薬等の使用による感染症によるもの

4)

副作用又は当該治験薬等の使用による感染症の発生数、発生頻度、発生条件等の発生傾向が著しく変化したことを示す研究報告

5)

治験の対象となる疾患に対し効能又は効果を有しないことを示す研究報告

6)

副作用又は感染症によりがんその他の重大な疾病、障害又は死亡が発生するおそれがある     ことを示す研究報告

7)

当該治験薬等に係わる製造販売の中止、回収、廃棄その他の保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止するための措置の実施

 

(治験の中止、中断及び終了)

第12条

医療機関の長は、治験依頼者から治験の中止又は中断、若しくは当該治験の成績が承認申請書に添付されないことを知った旨を開発の中止等に関する報告書(書式18)にて入手した場合は、治験責任医師及び治験審査委員会に対し、速やかに開発の中止等に関する報告書(書式18)により通知するものとする。

医療機関の長は、治験責任医師が治験を終了又は中止又は中断し、その旨を治験終了(中止・中断) 報告書(書式17)により報告してきた場合は、治験審査委員会及び治験依頼者に対し、速やかに治験終了(中止・中断)報告書 (書式17)により通知するものとする。

 

  (異議申し立て)

第13条

医療機関の長は、治験責任医師及び治験依頼者から治験審査委員会の審査結果に対する異議申し立てがあった場合は、異議申し立て書を提出させ、その写しを治験審査委員会へ提出し異議申し立てを行うものとする。なお、異議申し立て書の書式は問わない。

 

(直接閲覧)

第14条

医療機関の長は、治験依頼者によるモニタリング及び監査並びに治験審査委員会及び国内外の規制当局による調査を受け入れるものとする。これらの場合には、モニター、監査担当者、治験審査委員会又は国内外の規制当局の求めに応じ、原資料等のすべての治験関連記録を直接閲覧に供するものとする。

 

第3章 治験審査委員会

(治験審査委員会及び治験審査委員会事務局の設置)

第15条

医療機関の長は、治験を行うことの適否その他の治験に関する調査審議を行わせるため、治験審査委員会を医療機関内に設置する。

2

医療機関の長は、治験審査委員会の委員を文書により指名し、治験審査委員会と協議の上、治験審査委員会の運営の手続きに関する手順及び委員名簿を作成する。なお、治験依頼者及び他の医療機関の長から治験審査委員会の業務手順書及び委員名簿の提示を求められた場合には、これに応ずるものとする。

3

医療機関の長は、自らが設置した治験審査委員会に出席することはできるが、委員になること並びに審議及び採決に参加することはできない。

4

医療機関の長は、治験審査委員会の業務の円滑化を図るため、治験審査委員会の運営に関する事務及び支援を行う者を文書により指名し、治験審査委員会事務局を設置するものとする。

 

 

(他の医療機関の長等が設置した治験審査委員会への調査審議の委託)

第16条

医療機関の長は、治験毎に、治験を行うことの適否その他の治験に関する調査審議をGCP省令第27条第1項に該当する者が設置した治験審査委員会 (以下、「外部治験審査委員会」という。)に委託することができる。なお、医療機関の長は調査審議を委託するにあたり、予め外部治験審査委員会の委員名簿、 外部治験審査委員会の運営の手続きに関する手順書の写し等を入手し、 適切な調査審議が行えるか否かを医療機関内に設置した治験審査委員会と協議した上で判断する。 また、調査審議の依頼については、予め外部治験審査委員会設置者とGCP省令第30条第2項を記載した文書により契約を締結するものとする。

2 

医療機関の長は、調査審議委託する外部治験審査委員会の業務手順書の改訂及び委員名簿が  改訂された場合も、改訂後速やかに各々の写しを提供するよう、外部治験審査委員会の設置者に求めるものとする。

3 

医療機関の長は、本条第1項の外部治験審査委員会に出席することはできるが、審議及び採決に参加することはできない。

 

第4章 治験責任医師の業務

 

(治験責任医師の要件)

第17条

治験責任医師は、以下の要件を満たさなくてはならない。

1)

教育・訓練及び経験によって、治験を適正に実施しうる者でなければならない。

2) 治験実施計画書、最新の治験薬等概要書、 製品情報及び治験依頼者が提供するその他の文書に記載されている治験薬の適切な使用法に十分精通していなければならない。
3) 薬事法第14条第3項及び第80条の2に規定する基準並びにGCP省令を熟知し、これを遵守出来る者でなくてはならない。
4) 治験責任医師は、治験依頼者によるモニタリング及び監査並びに治験審査委員会並びに国内外の規制当局による調査を受け入れ、また、モニター、監査担当者、治験審査委員会又は国内外の規制当局の求めに応じて、原資料等のすべての治験関連記録を直接閲覧に供しなければならないが、これが可能であること。
5) 募集期間内に必要数の適格な被験者を集めることが可能であることを過去の実績等によ  り示すことができなければならない。
6) 治験依頼者と合意された期間内に治験を適正に実施し、終了するに足る時間を有していなければならない。
7) 治験を適正かつ安全に実施するため、治験の予定期間中に十分な数の治験分担医師及び治験協力者等の適格なスタッフを確保でき、また適切な設備を利用できなければならない。

 

 

(治験責任医師の責務)

第18条

治験責任医師は以下の事項を行う。

1)

教育・訓練及び経験によって、治験を適正に実施しうることを証明する最新の履歴書(書式1)及びGCP省令に規定する要件を満たすことを証明したその他の資料並びに治験分担医師を置く場合には、当該治験分担医師が作成した履歴書(書式1)を医療機関の長及び治験依頼者に提出する。

2)

治験関連の重要な業務の一部を治験分担医師又は治験協力者に分担させる場合には、治験分担医師・治験協力者リスト(書式2)を作成し、予め医療機関の長に提出し、その指名を受けなければならない。

3)

治験分担医師及び治験協力者等に、治験実施計画書、治験薬等及び各人の業務について十分な情報を与え、 指導及び監督をしなければならない。

4)

  1. 治験実施計画書の被験者の選択・除外基準の設定及び治験を実施する際の個々の被験者の選定に当たっては、人権保護の観点から及び治験の目的に応じ、健康状態、症状、年齢、性別、同意能力、治験責任医師等との依存関係、他の治験への参加の有無等を考慮し、治験に参加を求めることの適否を慎重に検討すること。

5)

同意能力を欠く者については、 当該治験の目的上、被験者とすることがやむを得ない場合を除き、原則として被験者としないこと。

6)

  1. 社会的に弱い立場にある者を被験者とする場合には、自由意思による同意の取得に特に慎重な配慮を払わなくてはならないこと。

7)

  1. 治験依頼者から提供される治験実施計画書案、症例報告書の様式案及び最新の治験薬等概要書その他必要な資料及び情報に基づき治験依頼者と協議し、当該治験を実施することの倫理的及び科学的妥当性について十分検討した後、治験依頼者と文書により合意すること。治験実施計画書及び症例報告書の様式が改訂される場合も同様である。

8)

  1. 治験実施の申請をする前に被験者から治験の参加に関する同意を得るために用いる説明文書を作成する。また、作成にあたっては、必要に応じ治験依頼者から予め作成に必要な資料の提供を受けることができる。

9)

  1. 治験実施前及び治験期間を通じて、治験審査委員会の審査の対象となる文書のうち、治験責任医師が提出すべき文書を最新のものにすること。当該文書が追加、更新又は改訂された場合は、そのすべてを速やかに医療機関の長に提出すること。

10)

治験審査委員会が治験の実施又は継続を承認し、又は何らかの修正を条件に治験の実施又は継続を承認した場合は、これに基づく医療機関の長の指示及び決定が治験審査結果通知書(書式5)にて通知された後に、その決定に従って治験を開始又は継続すること。又は、治験審査委員会が実施中の治験に関して承認した事項を取消し(治験の中止又は中断を含む)、これに基づく医療機関の長の指示及び決定が治験審査結果通知書(書式5)にて通知された場合には、その決定に従うこと。ただし、治験審査委員会の結果に対し異議申し立てがある場合には、異議申し立て書により医療機関の長を通じて行うこと。なお、異議申し立て書の書式は問わない。

11)

  1. 治験審査委員会が当該治験の実施を承認し、これに基づく医療機関の長の指示及び決定が治験審査結果通知書(様式5)で通知され、さらに治験依頼者と医療機関の長との間で当該治験に関する契約が締結されたことが確認できるまで被験者を治験に参加させてはならない。

12)

本手順書第21条で規定する場合を除いて治験実施計画書を遵守し治験を実施すること。

13)

  1. 治験薬等は承認された治験実施計画書を遵守した方法のみで使用すること。また、治験薬等の正しい使用法を各被験者に説明又は指示し、各被験者が説明された指示を正しく守っているか否かを当該治験において適切な間隔で確認すること。
14) 実施中の治験において、 少なくとも年1回、医療機関の長に治験実施状況報告書(書式11)を提出すること。
15) 治験実施中に重篤な有害事象が発生した場合は、重篤で予測できない副作用を特定した上で速やかに医療機関の長及び治験依頼者に重篤な有害事象に関する報告書(書式12-1・2)で報告すること。この場合において、治験依頼者、医療機関の長又は治験審査委員会から更に必要な情報の提供を求められた場合はこれに応じなければならない。
16)
  1. 治験責任医師は、治験実施計画書の規定に従って正確な症例報告書を作成し、記名捺印又は署名の上、治験依頼者に提出する。 また治験分担医師が作成した症例報告書については、その内容を点検し問題がないことを確認した上で記名捺印又は署名し、治験依頼者に提出する。症例報告書のデータが原資料と何らかの矛盾がある場合、治験責任医師はその理由を説明する記録を作成して、治験依頼者に提出するとともにその写しを保存しなければならない。治験責任医師は、症例報告書の変更又は修正に当たり治験依頼者から提供された手引きに従わなければならない。症例報告書のいかなる変更又は修正にも、日付の記入及び捺印又は署名がされ、重大な変更又は修正については説明が記されなければならない。また、変更又は修正は当初の記載内容を不明瞭にするものであってはならない。なお、症例報告書は修正前、修正後いずれに関しても、写しを保存すること。
17) 治験が何らかの理由で中止又は中断された場合、あるいは自らが治験を中断し、又は中止した場合は、被験者に速やかにその旨を通知し、被験者に対する適切な治療、その他必要な措置を講じること。また自ら治験を中断し、又は中止した場合にあっては医療機関の長に治験終了(中止・中断)報告書(書式17)を提出すること。
18)

治験を終了したときは、 医療機関の長にその旨及びその結果の概要を治験終了(中止・中断) 報告書(書式17)により報告しなければならない。

 

 

(被験者からの同意の取得)

第19条

治験責任医師又は治験分担医師は、被験者が治験に参加する前に、被験者に対して説明文書及び同意文書を用いて十分に説明し、被験者から治験への参加について自由意思による同意を文書により得るものとする。

2  同意文書には、説明を行った治験責任医師又は治験分担医師並びに被験者が記名捺印又は署名し、各自日付を記入するものとする。なお、治験協力者が補足的な説明を行った場合には、当該治験協力者も記名捺印又は署名し日付を記入するものとする。

3 

治験責任医師又は治験分担医師は、被験者が治験に参加する前に、前項の規定に従って記名捺印又は署名と日付が記入された説明文書及び同意文書の写しを被験者に渡さなければならない。また、被験者が治験に参加している間に、説明文書が改訂された場合は、その都度新たに本条第1項及び第2項に従って同意を取得し、記名捺印又は署名と日付を記入した説明文書及び同意文書の写しを被験者に渡さなければならない。

4 

治験責任医師、治験分担医師及び治験協力者は、治験への参加又は治験への参加の継続に関し、被験者に強制又は不当な影響を及ぼしてはならない。

5 

説明文書及び同意文書、説明に関して口頭で提供される情報には、被験者に権利を放棄させるかそれを疑わせる語句、又は治験責任医師、治験分担医師、治験協力者、医療機関並びに治験依頼者の法的責任を免除するかそれを疑わせる語句が含まれていてはならない。

6 

説明文書及び同意文書、ロ頭による説明には、被験者が理解可能で、可能な限り非専門的な言葉が用いられていなければならない。

7 

治験責任医師又は治験分担医師は、同意を得る前に、被験者が質問をする機会と、治験に参加するか否かを判断するのに十分な時間を与えなければならない。その際、当該治験責任医師、治験分担医師又は補足的説明者としての治験協力者は、すべての質問に対して被験者が満足するよう答えなければならない。

8 

治験に継続して参加するか否かについての被験者の意思に影響を与える可能性のある情報が得られた場合には、治験責任医師又は治験分担医師は、当該情報を速やかに被験者に伝え、治験に継続して参加するか否かについて被験者の意思を確認しなければならない。この場合、当該情報が被験者に伝えられたことを文書に記録しなければならない。

9 

被験者の同意に関連し得る新たな重要な情報が得られた場合には、治験責任医師は、速やかに当該情報に基づき説明文書及び同意文書を改訂し、予め治験審査委員会の承認を得なければならない。また、治験責任医師又は治験分担医師は、すでに治験に参加している被験者に対しても当該情報を速やかに伝え、治験に継続して参加するか否かについて、被験者の意思を確認するとともに、予め治験審査委員会の承認を得た説明文書及び同意文書を用いて改めて説明し、治験への参加の継続について被験者から自由意思による同意を文書で得なければならない。

10 

被験者の同意取得が困難な場合、非治療的治験を実施する場合、緊急状況下における救命的治験の場合及び被験者が同意文書等を読めない場合については、GCP省令第50条第2項及び第3項、第52条第3項及び第4項並びに第55条を遵守する。

 

 

(被験者に対する医療)

第20条

治験責任医師は、治験に関する医療上のすべての判断に責任を負うものとする。

2 

医療機関の長及び治験責任医師は、被験者の治験参加期間中及びその後を通じ、治験に関した臨床上問題となるすべての有害事象に対して、十分な医療が被験者に提供されることを保証するものとする。また、治験責任医師又は治験分担医師は、有害事象に対する医療が必要となったことを知った場合には、被験者にその旨を伝えなければならない。

3 

治験責任医師又は治験分担医師は、被験者に他の主治医がいるか否かを確認し、被験者の同意のもとに、主治医に被験者の治験への参加について知らせなければならない。

4 

被験者が治験の途中で参加を取り止めようとする場合、又は取り止めた場合には、被験者はその理由を明らかにする必要はないが、 治験責任医師又は治験分担医師は、被験者の権利を十分に尊重した上で、その理由を確認するための適切な努力を払わなければならない。

5 

治験責任医師又は治験分担医師は、 治験が何らかの理由で中止又は中断された場合には、治験者に対し速やかにその旨を通知し、被験者に対する適切な治療及び事後処理を行わなければならない。

 

(治験実施計画書からの逸脱等)

第21条

治験責任医師又は治験分担医師は、治験審査委員会の事前の審査に基づく文書による承認を得ることなく、又は治験依頼者との事前の文書による合意なく、治験実施計画書からの逸脱又は変更を行つてはならなぃ。ただし、被験者の緊急の危険を回避するためのものであるなど医療上やむを得ないものである場合又は治験の事務的事項(電話番号の変更等)のみに関する変更である場合には、この限りではない。

2 

治験責任医師又は治験分担医師は、治験実施計画書から逸脱した行為を理由のいかんによらず全て記録しなければならない。また治験依頼者にその理由等を記載した治験実施計画書からの逸脱 (緊急の危険回避の場合を除く) に関する報告書を提出し、その写しを保存しなければならない。

3 

治験責任医師は、被験者の緊急の危険を回避するためその他医療上やむを得ない理由により治験実施計画書に従わなかった場合には、医療機関の長及び治験依頼者にその旨及びその理由を記載した緊急の危険を回避するための治験実施計画書からの逸脱に関する報告書(書式8)を直ちに提出し、その写しを保存しなければならない。

4 

治験責任医師は、前項の逸脱について、逸脱又は変更の内容及び理由を記した緊急の危険を回避するための治験実施計画書からの逸脱に関する報告書(書式8)並びに治験実施計画書の改訂が適切な場合には、その案を、可能な限り早急に治験依頼者並びに医療機関の長及び医療機関の長を経由して治験審査委員会に提出して、本手順書第4条に準じてその承認を得るとともに、医療機関の長の了承及び医療機関の長を経由して治験依頼者の同意を緊急の危険を回避するための治験実施計画書からの逸脱に関する通知書の写しで得なければならない。

 

 

 

第5章 治験薬の管理

(治験薬の管理))

第22条

治験薬の管理責任は、医療機関の長が負うものとする。

2 

医療機関の長は、治験薬を保存・管理させるため治験薬管理者に薬剤管理課課長を指名し、医療機関内で実施されるすべての治験薬を管理させるものとする。なお、治験薬管理者は必要に応じて治験薬管理補助者を指名し、治験薬の保存・管理を行わせることができる。

3 

治験薬管理者は治験依頼者が作成した治験薬の取扱い及び保存・管理並びにそれらの記録に際して従うべき指示を記載した手順書に従って、また、GCP省令を遵守して適正に治験薬を保存・管理する。

4 

治験薬管理者は以下の業務を行う。

1)

治験依頼者から治験薬を受領し、 治験薬受領書を発行する。

2)

治験薬の保管、管理及び払い出しを行う。

3)

治験薬管理表及び治験薬出納表を作成し治験薬の使用状況及び治験進捗状況を把握する。

4)

被験者からの未使用治験薬の返却記録を作成する。

5)

未使用治験薬を治験依頼者に返却し、未使用治験薬返却書を発行する。

6)

本条第3項の治験依頼者が作成した手順書に従い、その他、治験薬に関する業務を行う。

 

5 

治験薬管理者は、 治験実施計画書に規定された用量の治験薬が被験者に投与されている

ことを確認する。

 

第6章 治験事務局

(治験事務局の設置及び業務)

第23条

医療機関の長は、治験の実施に関する事務及び支援を行う者を指名し、治験事務局を設けるものとする。なお、治験事務局は、医療機関の長により設置される治験審査委員会事務局を兼ねることが出来る。

 2  治験事務局は、医療機関の長の指示により、以下の業務を行うものとする。
1) 治験審査委員会の委員の指名に関する業務(委員名簿の作成を含む)
2)

治験依頼者に対する必要書類の交付と治験申請手続きの説明

3)
  1. 治験依頼者及び治験審査委員会が審査の対象とする審査資料の受付

 

4)
  1. 治験審査結果通知書(書式5)、治験審査委員会の決定と医療機関の長の指示が異なる場合 の治験に関する指示・決定通知書(参考書式1)の作成及び治験責任医師及び治験依頼者への通知書の交付(治験審査委員会の審査結果を確認するために必要とする文書の交付を含む。)

5)
  1. 治験契約に係わる手続き等の業務

 

6)

治験終了(中止・中断)報告書(書式17)の受領及び交付

7)
  1. 記録の保存

8)
  1. 治験の実施に必要な手順書の作成

9)

その他治験に関する業務の円滑化を図るために必要な事務及び支援

10)

本手順書の改訂 (原則年に1回は見直しを行い必要に応じて改訂し、医療機関の長の承認を得る。)

 

第7章 業務の委託

 

(業務委託の契約)

第24条

医療機関の長が治験の実施の準備及び管理に係る業務又は治験の実施に係る業務の一部を委託する場合には、文書により当該業務を受託する者との契約を締結し、双方が記名又は署名し、 捺印と日付を付するものとする。

2 

 契約書に定める内容は以下のものとする。

1)

当該委託に係る業務の範囲

2)

  1. 当該委託に係る業務の手順に関する事項

3)

  1. 前号の手順に基づき当該委託に係る業務が適正かつ円滑に行われているかどうかを医療機関が確認することができる旨

4)

  1. 当該受託者に対する指示に関する事項

5)

  1. 前号の指示を行った場合において当該措置が講じられたかどうかを医療機関が確認する ことができる旨

6)

当該受託者が医療機関に対して行う報告に関する事項

7)

その他当該委託に係る業務について必要な事項

 

 

第8章 記録の保存

 

  (記録の保存責任者)

第25条

医療機関の長は医療機関内において保存すべき治験に係る文書又は記録の保存に際しては、記録保存責任者に薬剤管理課課長を指名するものとする。

2 

医療機関の長又は記録保存責任者は、医療機関において保存すべき治験に係る文書又は記録が本手順書第26条第1項に定める期間中に紛失又は廃棄されることがないように、また、求めに応じて提示できるよう措置を講じるものとする。

 

 

  (記録の保存期間)

第26条

医療機関の長は、医療機関において保存すべき治験に係る文書又は記録を、1)又は2)の日のうちいずれか遅い日までの間保存するものとする。ただし、治験依頼者がこれよりも長期間の保存を必要とする場合には、保存期間及び保存方法について治験依頼者と協議するものとする。また、製造販売後臨床試験の場合には、3)に定める期間保存するものとする。

1)

当該被験薬に係る製造販売承認日(開発の中止若しくは治験の成績が承認申請書に添付されない旨の通知を受けた場合には開発中止が決定された若しくは申請書に添付されない旨の通知を受けた日から3年が経過した日)

2)

治験の中止又は終了後3年が経過した日

3)

製造販売後臨床試験の場合、該試験薬に係る再審査又は再評価が終了した日

2 

医療機関の長は、治験依頼者より前項にいう承認取得(製造販売後臨床試験の場合には再審査又は再評価の終了)あるいは開発の中止等に関する報告を開発の中止等に関する報告書(書式18)で受けるものとする。