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【臨床検査課より】
 

第61号
〜尿酸値と痛風について〜  

尿酸とは?

 尿酸は炭素、窒素、酸素、水素の分子から出来た化学物質で、プリン体と呼ばれる物質のひとつです。プリン体には多くの種類があって、それぞれが多彩な作用を持っていますが、それらが最終的に分解され、尿の中に捨てられる形になったものが尿酸です。

痛風とは?

尿酸はからだの中に一定量あり、血液などの体液に溶けて循環し、尿の中に濾し取られて捨てられます。
ところが、何らかの原因で血液中の尿酸の濃度が上昇して溶けきらなくなると、からだの中に蓄積してきます。溶けなくなった尿酸はナトリウムと塩(えん)を作り、結晶になります。尿酸の濃度が高い状態が続くと、この尿酸塩の結晶が関節の内面に沈着してきます。この尿酸結晶を白血球が攻撃する際に炎症や痛み、腫れを起こします。これが痛風発作で、足首やヒザの関節などで起こります。
また、関節だけでなく腎臓に沈着し腎障害を併発したり、尿路結石を併発したりします。
これらの原因である尿酸値が7.0mg/dLを超えると、高尿酸血症となり、注意が必要です。性別や年齢は問いません。
尿酸値が高くなる原因として、食生活やアルコール、ストレス、脱水などがあります。

高尿酸血症と痛風の現状

最近の本邦における調査結果によれば、高尿酸血症の頻度は成人男性において20%以上と報告されています。年齢別の頻度では、30〜40歳代が最も高く、30歳代の頻度は30%に達しています。 (図1)
痛風の有病率については、一地域において行われた住民調査による検討で、全体の有病率は0.5%、男性における有病率は1.1%でした。また、これらの痛風患者はすべて30歳以上の男性であり、30歳以上の男性における有病率は1.7%であり、日本人男性の約60人に1人が痛風を発症することになります。

2004年の国民生活基礎調査では、「痛風で通院中」と答えた方は全国で87万4,000人でした。この調査による痛風患者数は急速に増加傾向であり、2004年は1995年と比べて2.1倍、1986年と比べると3.4倍となっています(図2)

図1  男性における高尿酸血症の年齢別

図2  痛風患者数の推移

尿酸値を上げない生活を!

尿酸値の元であるプリン体を多く含む食品は、レバー類、白子、魚介類が上げられます。また、アルコール飲料はプリン体の有無にかかわらず、それ自体の代謝に関連して血清尿酸値を上昇させるため、種類を問わず過剰摂取は厳に慎むことが大切です。特にビールはプリン体を多く含むばかりでなく、他の酒類よりも高エネルギー飲料であるため、肥満を助長する可能性があるので注意が必要です。プリン体としての1日の摂取量が400mgを超えないように努めましょう(3)
また、尿中の尿酸値を減少させるためには十分な水分摂取が推奨され、1日2リットルの水分摂取が目標とされています。
過度な運動,無酸素運動は血清尿酸値の上昇を招くため避け、適正な体重(BMI<25)を目標にして、週3回程度の軽い運動を継続して行うことが好ましいとされています。

図3  食品のプリン体含有量(100gあたり)

定期的に健康診断を受けて頂き、高尿酸血症の早期発見と痛風予防に努めましょう

 
 

参考文献:高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン 第2版
公益財団法人 痛風財団ホームページ
文責 鈴鹿回生病院 臨床検査課 内海 勝博

 


 
鈴鹿回生病院 臨床検査課

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