インタビュー医師紹介
平成元年(1989 年)3 月に三重大学医学部を卒業し、平成 8 年(1996 年) 8 月から脳神経外科専門医として、脊髄脊椎疾患を中心に手術を担当してい る。日本脊髄外科学会の理事を務めており、脊髄外科指導医として、学術活動、後進の指導にも従事。よく通る声で、ていねいに説明することを意識しています。
「足が痺れて痛い!」
その神経痛、手術で治るかもしれません。
~腰部脊柱管狭窄症について~
脊椎・脊髄センター長水野 正喜
手足がしびれて痛い場合、脊椎、脊髄の病気として、頚椎症、頸椎椎間板ヘルニア、腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症といった病気が疑われます。腫瘍の場合も稀にあります。あとは、神経炎とか、末梢神経の障害によって出てくる場合もあります。それ以外に末梢神経が影響を受ける糖尿病、足の血管の閉塞性動脈硬化症などが原因となっている場合もあり、鑑別が必要になります。
検査はレントゲンやMRIが中心となりますが、手術する人にはCTも撮影します。外来検査で診断がつかない人や手術方針の決定が困難な方には1泊2日の検査入院をしてもらって、脊髄造影検査を行っています。一般的な検査は寝て撮影する検査なので、運動の要素が加わっていないのですが、脊髄造影の場合は普段の生活姿勢が見られる検査です。症状があるのにMRIで判別がつかない場合に有効です。また、上から下まで全ての脊髄を一度に調べたい場合にも、脊髄造影検査で調べるという方針にしています。
骨の中には“脊柱管”という神経の入れ物があるのですが、その入れ物が骨や靱帯によって押されて狭くなってしまっている病気です。足のしびれのほかに、主な症状として「長い距離が歩けない(間欠性跛行)」や「腰痛」が出ることもあります。
主な原因は加齢ですが、重たいものを持って頑張っている人もなりやすい病気です。自然治癒は見込めない病気ですので、治療が必要となってきます。
まずはお薬による治療をしていきます。この病気に使えるお薬に「リマプロスト(アルファデクス錠)」という飲み薬があります。
お薬で治療をしても効果ない場合や、2〜3ヶ月経っても症状が続く場合は、手術が必要になります。あくまで手術は最終手段であり、当院では病院全体での総合的な治療が行われています。
「神経の圧迫をとって手術でよくなるという病態があるか?」ということです。手術の必要性は患者ごとに異なり、症状や神経の圧迫状態、健康状態や年齢を考慮して、個別の治療を検討します。若いからといって必ずしも手術が適しているわけではありませんし、逆に、仕事に早く復帰したいからと早めに手術する場合もあります。初診時に手術目的で紹介されていることもありますが、具体的な治療方針は患者さんとの相談で決定するようにしています。手術をするとなった場合、負担がなるべく少なくなるよう当院では低侵襲な手術を心がけています。
できるだけ傷を大きくしないとか、とるときに組織を傷つけないということを目標にした手術です。傷が小さく、痛みが早く和らぎ、入院期間が短縮され、日常生活へ早く復帰することが期待できます。最近では、局所麻酔下に30分程度の手術時間で行う脊椎制動術(棘突起間スペーサー)が低侵襲手術として導入されています。
全身麻酔の手術としては、顕微鏡や内視鏡、外視鏡手術が挙げられます。脊髄内視鏡は、経皮的に筒を用いて手術を行う方法ですが、技術がまだ成熟していないため、限られた症例に使用しています。顕微鏡手術や、カメラを使ってモニターで手術を進行させる外視鏡手術は、信頼性があり長時間の手術に向いています。
手術となった場合には手術日程を決めます。脊髄造影検査を1泊2日の入院で行う場合もあります。その後、手術目的に再入院し、術後は約10日〜2週間の入院が基本です。リハビリが必要な場合は1週間単位で追加することもあります。腰部脊柱管狭窄症に限って言えば、手術適応や手術内容から判断すると、術後1週間や10日で皆さん良くなって帰ることができるのではと考えています。手術の大変さや回復にかかる時間は患者さんにより異なりますが、手術範囲が広い場合、回復には若干の時間がかかることもあります。年齢が上がると他の健康問題のリスクも増えるため、その点も考慮する必要があります。
医は仁術と言われますが、患者さんから”信用”され、”信頼”される医師をめざしています。
平成元年(1989 年)3 月に三重大学医学部を卒業し、平成 8 年(1996 年) 8 月から脳神経外科専門医として、脊髄脊椎疾患を中心に手術を担当してい る。日本脊髄外科学会の理事を務めており、脊髄外科指導医として、学術活動、後進の指導にも従事。よく通る声で、ていねいに説明することを意識しています。
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