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【臨床検査課より】
 

第59号
〜尿検査〜  
 

尿検査は腎臓や尿路の病気だけでなく、全身の様々な病気の診断の役に立ちます。
また痛みもなく、簡単に行うことができるので健康診断をはじめ広く行われています。

 

尿の作られ方

 尿は腎臓で作られています。
 腎臓は腰の上のあたりに左右1つずつあり、ソラマメのような形をしていて、長さ10p、幅5p、厚さ3p程度の大きさです。
 尿は腎臓の中のネフロンで作られます。腎小体(糸球体とボーマンのう)と尿細管からなるネフロンは1つの腎臓に約100万個あります。
 糸球体は毛細血管の集まりで、血液に含まれる体の中の老廃物や異物などの不用物質や余分な水分がろ過されます。ろ過された液体(原尿)は尿細管に排泄されます。尿細管では原尿の中に含まれる体に必要な物質を再吸収し、血液中に戻します。また血液中に含まれるろ過されなかった不用な物質を原尿に分泌します。こうして作られた尿は、腎臓の腎盂に集められ、尿管を通って膀胱にためられます。ある程度たまると尿道を経て体外に排泄されます。
 このようにして、排尿することで血液中の成分を一定に保っています。

尿量

 大人では1日に飲んだ水分の40〜60%が尿として排泄されます。 

  1日の平均量   男性1500ml、女性1200ml
  1回の排尿量   200〜400ml
 
 しかし、尿量は季節、体温、年齢、食事、飲水量、精神状態などによって影響され、正常でも1日400〜3000mlと変動します。また、ふつう夜間は昼間に比べて尿量は少なく1/3〜1/4くらいです。

 

尿の種類

検査の目的に応じて採尿時間や方法がたくさんあります。

【採尿時間による違い】

早朝尿 早朝起床直後の尿
濃縮されて成分が多く含まれるので最も検査に適しています。
随時尿 早朝尿以外の任意の時間に採尿される尿
24時間尿 24時間分の尿を貯めたもの
時間や食事などの影響を受ける尿中の成分を正確に調べることができます。


【採尿方法による違い】

自然排泄尿 自然に排泄させた尿
もっとも一般的な採尿法
全部尿 排泄した全部の尿
部分尿
初 尿: 排尿の最初の部分の尿
主に尿道炎の検査に用いられます。
中間尿: 排尿の最初と最後の部分を避けた排尿途中の尿
外陰部や膣由来の成分の混入を避けることができ、
多くの尿検査に適しています。
分杯尿: 1回の排尿を2または3回に分けて採取する方法
病気の部位を特定するのに用いられます。

その他に自然排尿が困難な場合や検査目的によってはカテーテル尿や膀胱穿刺尿などが用いられます。

検査項目
  • 尿の状態を調べる
    尿量、色、尿比重、pHなど
  • 成分を調べる
    尿中には様々な成分が含まれます。病的な状態になると、これらの成分の量が変動したり、異常な成分がみられるようになったりします。
    主にたんぱく質、糖、潜血、ビリルビン、クレアチニンなど
  • 固形成分を調べる(尿沈渣検査)
    尿を遠心分離器にかけて、沈殿物を顕微鏡で観察し、通常は含まれない物質や増えている成分がないかを調べます。固形成分には赤血球や白血球、上皮細胞、細菌などがあります。
その他にも、尿に含まれる細菌を調べる培養検査や細胞を詳しく調べる細胞診検査などがあります。
 

参考文献

臨床検査総論 医歯薬出版株式会社
人体の構造と機能 医学書院
解剖生理学 秀和システム 

 

 

                                

 


文責 坂元 めぐみ
鈴鹿回生病院 臨床検査課

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